痛風初期症状

痛風の原因

わたしたちの食生活は、社会が豊かになるにしたがってカロリー過多になっています。食べすぎ、肥満、そして運動不足などによって、生活習慣病を招きやすくなります。

痛風と尿酸の関係

痛風と尿酸の関係
痛風の発作と尿酸値の上昇は深い関係にあります。では、尿酸とはどのような物質なのでしょうか。私たちの体は、約60兆個という膨大な数の細胞によって構成されています。そして、ほとんどの細胞は、常新陳代謝によって壊され、新しい細胞に生まれ変わっています。細胞が生まれ変わるときには、なかにある遺伝子も新しく生まれ変わります。尿酸は、遺伝子の成分である核酸が生まれ変わるときこできる物質です。つまり、尿酸は、生命を維持するために行われる新陳代謝によって生まれる廃棄物、といえます。通常、尿酸の2分の3は腎臓から尿に排出され、3分の1は腸管から便にまじって排泄されます。1日にできる尿酸は約700mgで、酵素(HGPRT)などの働きによって過剰に生産されないようにコントロールされています。また、大部分の尿酸は、古い細胞の核酸が分解されるときに合成されますが、核酸の原料であるプリン体を成分として含む食品やアルコールなどを、体内で分解する際にも作られます。健康な人の体内にある尿酸の量は、1200mg前後です。これは、体内で合成される尿酸や、食品からとり込まれた尿酸もすべて含んだ数字です。そして、1200mgのうち500~1000mgが、毎日、新陳代謝によって新しくなることで、一定のバランスが保たれています。しかし、この代謝になんらかの異常が生じると、尿酸が過剰に生産されたり、うまく排泄されなくなったりします。その結果、尿酸がどんどん体内にたまり、血液中の尿酸値が上昇してしまいます。うまく体外に排泄されなかった尿酸は、血液中にとけ込んで関節に流れ着き、そこに蓄積されます。やがて結晶を作って、反応性の炎症が起こるようになると、痛風発作が起こリます。

発作の激痛原因について

尿酸結晶・指
それでは、なぜ、尿酸の結晶が痛風の発作を引き起こすのでしょうか。関節や組織にたまった尿酸は、尿酸ナトリウムという結晶を作ります。この結晶は体内では異物と認識されるために、排除しようと白血球が攻撃をします。この白血球と尿酸ナトリウムの戦いが、実は痛風発作による激痛の正体なのです。白血球は、人間の免疫機能の一つで、体内に侵入した細菌やウイルスなどの有害な異物を排除したり、無毒化したりする働きをします。関節にたまった尿酸結晶(尿酸ナトリウム)を白血球は有害な「敵」と判断し、集中的に攻撃するのです。白血球は、いろいろな化学物質を放出して尿酸結晶を排除しようとしますが、関節液中の尿酸結晶は無生物なので排除することができず、逆に白血球のほうが自滅してしまいます。痛風発作のときに感じる痛みやはれは、白血球が放出したさまざまな酵素や活性酸素、プロスタグランジンといった物質が毛細血管を広げ、その部分の血流がはげしくなることによって起こります。白血球は、尿酸結晶との戦いによって大量のエネルギーを消費します。そのときに、疲労物質である乳酸が生産されるので、血液の酸性度が上昇します。しかし尿酸は、酸性液にとけにくい性質のため、尿酸結晶の周囲にくっつくので、結晶がますます大きくなるという悪循環を招きます。尿酸結晶ができやすい場所は下肢の関節、特に足の親指のつけ根です。なぜこの部分に多く発症するのか、はっきりしたことはわかっていませんが、発症しやすい条件として、尿酸はタンパク質が少ないところに結晶を作りやすいということがあげられます。また強い酸性のところ、よく動かすところ、負担がかかるところ、温度が低いところなども、尿酸結晶ができやすい場所です。